2026/09/01

【塾長コラム】JATI創立20周年に寄せて|歴史を知り、先達の恩恵を次世代へ繋ぐ「本物の指導者」の条件

パーソナルトレーナーの寺子屋 塾長の高津です。

日本のトレーニング指導界を牽引してきた「特定非営利活動法人 日本トレーニング指導者協会(JATI)」が、創立20周年を迎えられました。先日開催された記念式典・祝賀会に際し、心よりお祝いを申し上げます。

私自身、20年前の立ち上げ当初に関西支部役員として参画させていただき、このたび永年会員として表彰をいただきました。

当時、参与として名を連ねておられた今は亡き私の恩師・魚住廣信先生をはじめ、多くの偉大な先達から直接ご指導をいただいた日々が、指導者としての私の確固たる背骨となっています。

また、今年(2026年)は「NSCA-JAPAN」も設立35周年という大きな節目を迎えています。

今回は、寺子屋で学ぶ現役トレーナーや指導者を志す皆さんへ、「なぜ指導者が業界の歴史を知らなければならないのか」について、塾長としての考えをお伝えします。

1. 参入障壁が低い時代だからこそ、「土台の深さ」が問われる

現在、パーソナルトレーナーという職種は広く社会に認知され、誰でも名乗りさえすれば現場に立てるほど参入障壁が低くなりました。

門戸が広がることは喜ばしい反面、

  • SNS映えする流行りのエクササイズや小手先の集客ノウハウばかりを追う

  • 解剖学や生理学、バイオメカニクスといった基礎医科学を軽視する

  • 「自分の経験則」や感覚だけでクライアントの身体を触ってしまう

 

こうした指導者が増えているのも紛れもない現場の現実です。

だからこそ、JATIやNSCAのような団体を通じて体系的な医科学教育を受け、確かな倫理観を持ち、一定水準以上の指導力を担保している指導者の価値が、今まさに再評価されています。

2. 今の指導環境があるのは「先達の試行錯誤と歴史の恩恵」である

私たちが今、当たり前のようにクライアントへフリーウェイト指導を行い、医学的・科学的エビデンスに基づいたプログラムを処方できているのは、決して自分たちだけの力ではありません。

20年、30年以上前の黎明期、まだ「パーソナルトレーナー」という言葉すら社会に浸透していなかった時代から、

  • 偏見や無理解と闘いながら職能としての専門性を証明し

  • 日本人に適したトレーニング指導の基準とガイドラインを策定し

  • 運動指導者の社会的地位向上に心血を注いできた

そうした先達たちの情熱と膨大な試行錯誤の歴史があるからこそ、現在の私たちの活動基盤が存在しています。

「自分の業界の歴史を知る」ということは、単なる昔話のインプットではありません。先達への敬意と感謝を持ち、自分が拠って立つ専門性のルーツを自覚することです。

歴史を知らない指導者は、流行に流されて根無し草になります。 歴史を知る指導者は、軸がブレず、クライアントからも医療・社会からも長く信頼され続けます。

3. 先達の教えを護り、次の世代へ誇れる業界を遺す

寺子屋が目指しているのは、単なる「売上を伸ばすテクニック」を教える場ではありません。

「先達が築き上げてくれた歴史と知見を正しく受け継ぎ、医科学の根拠と高い倫理観を持って現場に立ち、次の世代へバトンを渡せる本物の指導者を育てること」です。

先人たちが20年、30年かけて切り拓いてくれた道を、私たちはさらに前へと押し進め、地域社会や医療と真に連携できる業界へと育てていかなければなりません。

歴史を学び、基礎基本を徹底的に磨き、誇りを持って現場に立ち続けましょう。 皆さんが未来のトレーナー界を牽引するリーダーへと成長することを、心から期待しています。

パーソナルトレーナーの寺子屋 塾長 高津 さとし

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